カテゴリー「新世界地図」の4件の記事

2010年9月15日 (水)

正距方位半球図法 その2

日本の真東は赤道の南に

 メルカトール図法によるもう一つの誤解は、方位、である。カリフォルニアは、日本の真東にあると思っていたが、とんでもないことであった。ハワイあたりが真東なのである。しかもその線をさらに辿っていくと、南米大陸に達する。チリのサンティアゴとかアルゼンチンのブエノスアイレスが、日本の本州あたりからの真東に当たるのである。 

 また、サンフランシスコの真西も、同様にして日本ではない。ニューギニアやオーストラリア西部である。ついでにサンフランシスコの真東は、首都ワシントンではなく、もっと南のマイアミになる。その先は、ブラジル近くの大西洋で赤道を越え、アフリカ南部に達する。

 この方位の不思議さについては、「大陸の世界地図」を作る段階で、2002年ごろに読んだ本で知っていたはずである。「地図のことがわかる事典」(田代博・星野朗編著、日本実業出版社、2000)の、それについての記述には、自分でつけた傍線までもある。

 ところがそのことの重要さには、後になって20086月ごろ、田代博氏のサイトhttp://yamao.lolipop.jp/map/map019.htm を読んで初めて気が付いた。

 こうしたサイトによるせいか、日本ではこの方位の問題は、かなり広く知れわたっているようだ。昭文社の「なるほど知図帳 世界2008」には、この真東の問題が出ているだけではなく、各地を中心にした正距方位図法が出ている。

 赤道を越えた南の国が真東だ、というのは不思議な気もするが、よくよく考えてみれば当然なのである。

 春分の日に、太陽は赤道の真上をぐるりと回る。その日の朝6時における、日の出の方向が真東なのだから、日本と赤道上の太陽とを結んだ線が、真東の方位線、ということになる。つまり、地球が球面であるために、赤道以外の全ての地点の真東は、赤道を交差するはずなのである。

 というわけで、メルカトール図法やその系統の世界地図が、世界の最短のコースや方位に対して、誤解のもととなっていたのである。航空機や人工衛星が飛び交う空の時代には、正距方位図法が、メルカトール図法に取って代わらなければならない。

 ところが、その図法の世界地図には重大な欠陥がある。中心から遠く離れた周辺部の大陸が、あまりにも変形し過ぎ、どこの大陸なのか分からないほどになる。東京中心の正距方位図法における南米大陸は、まるで、ボウフラか胎児みたいな、哀れな姿にさせられている。座右の地図として使うには、美しくない。

 私の特許出願中の世界地図は、正距方位図法のこの欠陥を正すものである。 

2010年9月14日 (火)

正距方位半球図法 その1

日本の特許も申請中

 金森教授の研究室で、私はもう一つの世界地図についても説明した。

「大陸の世界地図」は、私の仮説を説明するための最良の道具ではあっても、実用性、という面での利用価値はなさそうである。米国の特許庁から、交付の3ヶ月ほど前に、許可が下りるという通知が来た段階になり、初めてそのことに気がついた。

「大陸の世界地図」の中心点は、陸半球の中心点、つまりフランスのロワール川河口あたりから動かせない。それでは、地図の端の方に位置する多くの国々の住民(特に日本人)にとって、あまり利用価値はない。

 というわけで更に一年かけて、別の特許を申請し、この場合には、日本の特許も同時に申請するようにした。「大陸の世界地図」の場合、そのポイントは、私の仮説に有利な世界地図を得るための方法、ということにあったが、今回は仮説とは全く関係なく、新しい図法の提唱である。

 現在使われている世界地図の大部分は、赤道が中央に来るようになっている。それは、メルカトール図法が元になっているからである。そうした赤道中心の地図を見慣れた結果として、我々は、緯線に沿って世界を見る傾向がある。

 私自身かっては、ニューヨークに行く友人に向かって、「サンフランシスコに寄って行きなよ」と言ったりしたものである。東京からニューヨークへ行く場合、てっきりサンフランシスコの上空を通るのだ、と思っていた。

 昔の人がヨーロッパに留学するのに、何故シベリア鉄道を使ったのかも理解できていなかった。船賃よりも鉄道の料金の方が安いからだろう、ぐらいに思っていた。

 ところが正距方位図法の地図に慣れるようになって、東京からニューヨークへは、サンフランシスコではなく、アラスカやカナダの北端を通るのだと知った。また、シベリアからモスクワ経由でヨーロッパへ行くコースが、地表上を行く交通としては最短なのだ、とも知った。

2010年9月13日 (月)

大陸の世界地図 その2

大陸は今も一つながり

 球体の地球儀を平面の世界地図に移すには、壁に影絵を作るような方法を使う。つまり投影法である。私が思いついたのは、それとは全く違った方法に基づいている。ただし結果は同じで、出来上がった図は、正距方位図法の図であった。

 その方法とは、球体を押しつぶすことである。丸いボールを真ん中で押しつぶすと、高さが半分になる。実際のボールでは、厚みがあるためにそれ以降の過程は不可能だが、仮に、折り紙を折るように、次々に半分に折っていけたとすると、丸いボールは、昔のLPレコード盤のような、平たい円盤になるはずである。

 その後の過程は煩雑になるので省略するが、私の方法を使えば、たぶん、中学生でも世界地図を描けるのではないか、と思う。

 このようにして出来上がった大陸の世界地図は、私の予期していた以上のものであり、私を喜ばせた。オーストラリア大陸と南極大陸とが、ほぼ同じ大きさで左右にバランスよく並び、全体としては、大きな伝説の鳥、鳳凰が羽を広げて、満月の前を飛翔しているかのような姿となった。

 その図には、世界の山脈を描き入れた。すると、世界の全ての大陸は今も一つながりであり、山脈もまた全てが有機的につながり、大陸のバックボーンになっていた。

 ヨーロッパからヒマラヤを通り、アメリカ両大陸から南極大陸へとつながるこの巨大な山脈の連なりを、他の世界地図では分断されているために、イメージとしてつかめない。日本は、この主脈と平行な流れの中にあって、その一部となっている。つまり日本は、遠いヒマラヤ山脈と密接につながっているのである。

2010年9月12日 (日)

大陸の世界地図 その1

9710cimg0117 陸半球を中心として

 金森博雄教授の研究室で、昼食前の主要な話題の一つは、世界地図であった。2008219日、私は図のような世界地図で米国特許(7,331,790) を取得した。これは大陸の全体像を、最も適切な形でまとめたものである。

 中心に正距方位図法で求められた陸半球を置き、海半球側からの残された陸地を、分断されたそれぞれの地形が完成されるように並べ直した。ここで言う陸半球というのは、陸の面積が最大になるように赤道の位置を移してできる半球である。北半球は既にして大陸を多く含んでいるが、陸半球となるとそれがさらに強調される。とすれば、大陸を全体像として眺める最良の地点は陸半球の中心点であり、それを中央にもってくれば良い。

 最初からこのような図になるだろう、と予測していたわけではない。今でこそ、インターネットを探せば、簡単に陸半球の地図が見つかるが、私がアイデアを得た2001年当時、陸半球の定義は知っていても、図を見たことはなかった。

 そこで、どうしても自分で図を作らなければ、と考えたわけだが、投影法の専門知識のない者に、自分なりの世界地図が描けるとは思えなかった。15年ほども、誰か描いてくれる人いないだろうか、と思い続け、2001年になってやっと、自分で描く方法を思いついたわけである。

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