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2018年3月18日 (日)

「西之島は大陸の卵」に疑義あり その8

  フィリピン海プレートの原動力

 前回、田村芳彦氏(JAMSTEC)も認めたように「フィリピン海プレート」において、対流の湧き出し口は何処にあるか分からない。というよりは、あるかないかも分からない。プレートテクトニクス説はそのような原理的な問題にこだわらない。

 現在「伊豆半島は南の島であった」という説が、日本の学者の間で定説になっている。この伊豆半島の問題についても田村氏に質問しているので、後で詳しく議論し直すつもりである。そのためここでは、湧き出し口との関係についてだけを取り上げる。

 一般の人も学者も、伊豆半島の成り立ちについての説明を聞いて、それ以上に疑問を差し挟むことはない。私からすると、「南の島って何処にあったのだろう? 」とか、「どういう力でどのように運ばれたのだろう?」とかいう疑問が次々に出ない、ということが不思議でならない。どうやら、疑問を抱く私の方が変っているらしい。

 ウェーゲナーの大陸移動説は、その原動力があいまいであるということで認められなかった。しかし大陸移動説が一旦世に認められるようになると、それに付随する新説が続々と出現し、その殆んど全てがすんなりと受け入れられてきた。原動力の問題が解決した、という訳でもないのにもかかわらず、である。

 伊豆半島はもともと南方の火山島だったとするならば、それを生み出し北上させた大もとがフィリピン海プレートにあったはずである。プレートの東縁は、太平洋プレートの沈み込み帯に接している。そして、多くのプレートテクトニクス説関連の本では、そこにプレートの始まりがあるかのように描かれている。一例として、「地震は必ずくる」(阿部勝征著、読売科学選書 1990年)にある図を借用する。Photo

 この図を見ると、フィリピン海プレートにおいてマントル対流説は破綻している。湧き出し口がないのに、どのようにしてプレートが生じたのだろうか?どうやら、太平洋プレートが途中から分離して、フィリピン海プレートの下に向かって下降するということのようである。しかし太平洋プレートから分離した途端、対流の力はフィリピン海プレートに伝わらなくなる。したがってフィリピン海プレートの動きは停止する。むしろ逆方向へと動き出し、沈み込む太平洋プレートに引きずられそうなものである。つまり、フィリピン海プレートは伊豆小笠原海溝、マリアナ海溝へと沈み込むはずである。このイラストを描いた者は、描かれた事象が可能であることを、実験か何かで実証しなくてはならない。

 プレートの中央、九州パラオ海嶺辺りを湧き出し口だと仮定する者もいそうである。しかしその仮定は、それらの海嶺が浅発地震帯である場合に限る。中央海嶺に浅発地震帯があるのは、対流が湧き出すという活動があるからだ、と言われてきた。ならば、浅発地震帯でない湧き出し口はあり得ない。

 伊豆半島がかって南の島であり、北上して日本列島に衝突したという説がどんなに魅力的で、数多くの科学者の賛同を得ているにしても、その説には重大な欠陥がある。フィリピン海プレートには原動力がない。伊豆半島を北上させた力が見つからない。

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