« 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その6 | トップページ | 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その8 »

2018年2月19日 (月)

「西之島は大陸の卵」に疑義あり その7

  対流の湧き出し口はどこに?

 「その3」に書いたように、前回までの4つの質問の後、金森、上田両先生からの返信はパタッと止まってしまった。その後の質問とそれらへの返信は全て、JAMSTECの首席研究員田村芳彦氏との間で交わされたものである。それらの交信の必要と思われる部分を掲載するにあたって、その部分全体を【 】内に入れる。それらのうち、田村氏が引用された私の質問と文章は下線部で示す。また、田村氏による回答は、田村氏〔 〕という形で、現在の私が付け加えた注釈は{ }内に記す。

【早速のご返信{2016年2月19日の私からのメールに対し、ほぼ半日後にご返信を頂いた}ありがとうございます。その素早さとご返答の内容の素晴らしさに感銘を受けました。しかし私からの返信は、苦しみながら文章を書くタイプですので、いつも遅れがちです。どうかお許しください。

「海洋島孤」という概念があるのを初めて知り、ネットで調べてみました。巽好幸氏が言い始めたことでしょうか?海洋島孤は、フィリピン海プレート以外の世界各地にもある地質構造でしょうか?

田村氏〔海洋島弧という概念は誰が言い始めたかは浅学のため知りません。巽さんの以前からの概念です。また伊豆小笠原マリアナ弧のほかにはニュージーランドの北に続くトンガ−ケルマディック弧が有名です。またアラスカからロシアに続くアリューシャン弧も海洋島弧です。〕

⒌ 昨年2月に放映された「サイエンスZERO 西之島の噴火が大陸を生む!?」の中で、地殻が薄いから安山岩が生まれるということでしたが、三宅島や八丈島の海底地殻に比べれば薄くても、15キロというのは、一般的な深海底の地殻の5∼6キロに比べれば、むしろ厚い方なのではないでしょうか?

田村氏〔プレートの収束境界(沈み込み帯)では薄いという意味で、仰るとおり中央海嶺に比較すると厚いです。一方、中央海嶺の地下のマントルにはほとんど水が無いので玄武岩マグマしかできません。薄い地殻とプレートから絞り出される水の両方が安山岩マグマを生むためには必要です。〕

⒍ 軽い安山岩{ここは「安山岩のもととなる軽い構成物質」とすべきであった}がどのようにして高圧で比重の大きいマントル内に入れたのでしょうか? オイルベニガーならば、いくらシェイクしてもすぐに分離します。

田村氏〔これは逆で、マントルが溶けると安山岩マグマを生じることがある、という意味です。〕

⒎ 安山岩がマントルから湧き出るならば、中央海嶺やホットスポットからの方が相応しいように思われます。東太平洋海膨を初め、安山岩線の東側の太平洋に安山岩が全くないのは何故でしょうか?

田村氏〔5と同じ答えです。〕

⒏ 西之島もやがて八丈島方面へ北上するということでしたが、それを北上させる対流の湧き出し口は何処にあるのでしょうか?

田村氏〔西之島と八丈島は同じプレート(フィリピン海プレート)に載っていますから、フィリピン海プレート全体が北上します。これはユーラシアプレートに対する相対的な運動です。対流のわき出し口については私はわかりません。〕】

 この「対流の湧き出し口がわからない」という点は非常に重要なので、次回に詳しく議論する。

« 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その6 | トップページ | 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その8 »

大陸の誕生」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1397932/72505383

この記事へのトラックバック一覧です: 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その7:

« 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その6 | トップページ | 「西之島は大陸の卵」に疑義あり その8 »