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2017年6月25日 (日)

日本国内旅行 その16

  支笏湖の水中柱状節理

 数ヶ月前、「支笏湖は最北の不凍湖だ」とテレビで言われているのを聞いて、調べてみる気になった。湖底の温度がマグマによって温められているのかと思ったが違った。水は4度で一番密度が高く、重い。そのため気温が零度以下になっても、湖底の温度は4度のまま。支笏湖は深く、4度の水をたっぷり溜め込めるので、カイロを抱えているような状態になるのだろう。次の春まで滅多に凍ることはないらしい。洞爺湖も同様に不凍湖なのだそうだ。

 そのついでに更に調べていたら、支笏湖の水中に柱状節理があり、観光船で見れるらしいと知った。支笏湖は火口に水が溜まったカルデラ湖である。柱状節理が湖底にあるということは、噴火口の溶岩が固まって柱状節理が出来た後、そこに水が溜まったことを意味する。外輪山から流れ込んだ可能性もなくはないが、ほぼ間違いなく、火道起源だったと断定できそうだ。

 ネットを探すと柱状節理のでき方についての殆どの説明は、溶岩流が固まる時、上から下へと冷えていくのに従って亀裂ができる、となっている。それに対して私は、柱状節理の出来方には色々なパターンがあり得るはずだということで、何回も繰り返し扱ってきた。

 以前も書いた(日本国内旅行 その3) ように、韓国慶州市の菊花型石や根室の車石は、ドーム状半球状の中心から放射状の柱状節理が並んでいる。これなどは溶岩が小さな穴から湧出し、プクーッと風船のように膨らんで出来たと推測される。海底に、枕や俵が積み重なったように見える枕状溶岩が多く見つかる。車石はそれらの一種と見ることもできるだろう。これらのドーム状柱状節理やデビルズタワーを、溶岩流や貫入岩で説明することは不可能だと思う。支笏湖の水中柱状節理は、溶岩流起源ではないもう一つの事例である。

 以前何度か読んだことのある、火山学会の「火山学者に聞いて見よう」というサイトを、今回もう一度読み直してみた。するとそのサイトに、「ハワイの火山の溶岩湖では表面にも柱状節理が現れましたが、通常のガサガサした溶岩流の表面には柱状節理は現れません」という石渡明氏の言葉が出ている。何のことはない、「溶岩湖」起源の柱状節理が、学者の言葉の中にあった。以前は読んでいながら、その言葉の重要性に気付かなかった。

 これも繰り返しになるが、溶岩流起源、火道起源、溶岩湖起源の柱状節理の他に、「移動」を反映した柱状節理があるはず(日本国内旅行 その4)、 というのが私の昔からの考え方である。その時にも書いたように、越前松島の牛の角型の柱状節理を、「移動」という考え方無しで説明するのは、非常に困難であると思う。

 ヤスーン仮説によれば、大陸のおおよその形が定まった後になり、重い玄武岩マグマが分離して滲み出す。海洋底をひたひたと進む玄武岩溶岩は、中央海嶺の位置まで進んで止まり、大陸と相似の地形を形作った。このような仮説の全体的イメージから予測されるのは、水平な柱状節理の存在である。しかもその節理は、大陸から中央海嶺への動きを反映して、金太郎飴を横に並べたようになっているはずである。中央海嶺近くの海洋底が掘削されるようになった時、私の説の当否が決定される。

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