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2017年4月25日 (火)

日本国内旅行 その14

  公害の山が中禅寺湖の隣に

 奥日光湯元から中禅寺湖駅にバスで着いて、その後すぐ半月山行きのバスに乗り継ごうかとよほど迷った。その路線の最終便が30分後に迫っていたからだ。結局ホテルへのチェックインを優先して、バスは翌朝に回した。

 翌朝8時40分発の始発に乗った。時間が早いせいもあってか4~5人の乗客しかいず、30分の乗車時間半分を過ぎた辺りからは、我々の他たった一人になってしまった。終点に近付いた頃、「次の角を曲がると左手に富士山が見えますよ」と運転手さんから声をかけられた。これはありがたい、と思った。こちらから声をかけるのはためらわれたが、この運転手さんになら色々質問しても良さそうだ。運転手さんからの情報は現地での最良のものであり、貴重である。

 終点は広い駐車場になっていて、半月山の頂上ではない。ホテルのチェックアウトの時間が迫っているためもあり、乗ってきたバスが折り返し戻る出発時間までの、わずか10分しか余裕がない。駐車場の周りの柵に沿って、ゆっくりと景色を見て回った。

 向かいの尾根の山肌が禿げていて特徴的である。日本のグランド・キャニオンと呼ばれたりもするらしい。しかし緑の全くないグランド・キャニオンよりは、カウアイ島のワイメア・キャニオンにもっと似ている、と思った。カウアイ島の東側は世界一の雨量を記録した地点もあるほどの多雨地帯だが、西側は反対に乾燥している。そのために、太平洋のグランド・キャニオンとも呼ばれる景観が出来上がった。

 駐車場の中央に何故かトロッコが置いてあり、「足尾銅山観光」の碑銘のある大きな岩が脇に置いてあった。「隣り町の観光もよろしく」という意味なのかも知れない。「足尾銅山」の名前を見て、山肌の禿げの意味を理解した。以前、「足尾から来た女」というテレビドラマを見たこともあり、公害の被災地に植林しているというドキュメンタリーを見たこともある。以前から公害の原点の地ぐらいの知識は持っていたものの、それがどこにあるのかのイメージはなかった。テレビ番組を見た後も、関東のどこからしいという程度の、遠くの地方の話に過ぎなかった。

 それが、日光のすぐ隣りにあるとは意外であった。世界遺産の裏に負の遺産があることになる。中禅寺湖の水が足尾側に漏出していると、調べている間に知りもした。日光観光だけのつもりが、もう一つ予期せぬ収穫を得た気がした。

 帰りのバスの中での運転手さんとの会話から、半月山の路線は季節限定であると知った。紅葉期目当てのスケジュールは、つい最近始まったばかりだとも。山が紅葉で彩られるようになると、バスの客も満員、道も車で一杯になるという。10月初旬でガラガラなのに、もう1~2週すると満員になるとは信じ難い。テレビや新聞が紅葉の始まりを報道すると、人の波が押し寄せるらしい。

 日光駅前から湯元まで、通常は2時間のコースに8時間かかったこともあるという。前日実際にそのコースを辿り空腹と喉の渇きを体験した私には、その大変さの片鱗がほの見える。トイレに行きたくなったりしたらどうするのだろう?

 私が今夢中になっているものが、一般的にはさほど人気のない地質学的な問題であり、紅葉とか風光明媚とかでなかったことでしみじみ良かったな、と思った。

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コメント

柱状節理は、大電流が流れた痕です。だから火成岩、堆積岩の両方にあります。

初めまして。連休中にyoutubeにアップされた動画「この地球に山や森は存在しない」を見ました。
中学生時代から宇宙や地質学に興味を持っていたのですが、柱状節理が巨大な植物の化石であるという解説に驚いて検索して、こちらのサイトにたどり着きました。動画をご覧になった感想を記事にしていただけたらと期待しております。

初めまして。連休中にyoutubeにアップされた動画「この地球に山や森は存在しない」を見ました。
中学生時代から宇宙や地質学に興味を持っていたのですが、柱状節理が巨大な植物の化石であるという解説に驚いて検索して、こちらのサイトにたどり着きました。動画をご覧になった感想を記事にしていただけたらと期待しております。

興味深い情報をお知らせくださりありがとうございます。その動画を見てみました。
デビルズタワーを切り株とすると、その木の根は北アメリカ大陸隅々にまで広がっていたことになります。その説によって解決されるよりも、新たに生まれる謎の方が多くなることでしょう。しかし、世界中の珍しい地形の写真を多用したり、図を探すのが不得意な私からすれば、感心しきりでした。
いつか書いてみたいとも思いますが、他に書かなくてはならない問題も抱えていますので、お約束はできません。お許し下さい。

お忙しい中、不躾なコメントにお返事くださりありがとうございました。
時間ができて、あの動画をじっくり見返しましたが、巨大樹をシリコン生命体だという主張など、おかしな説明がいくつかありました。「ザウルスでござる」というブログで管理人さんがあの動画について反論なさっておられます。

「でたらめ動画 この地球には山や森は存在しない のトリック」という記事で前編後編に分けておかしい所を指摘されておられます。私も疑問点を前編にコメントしておきました。このザウルスさんがブログカテゴリー「歴史・考古学」の中に「海底考古学」と名付けて海底の不可解な地形について海底クローラーがあったのかと動画を作成なさっておられますが、こちらの「海洋底」カテゴリーに「海底の縞模様」についての地学的考察記事があるのを思い出しましたので、ザウルスさんにもお伝えしたいと思っております。

しかし「海底考古学」動画にもタワーのような構造物があるのを発見なさっていますし、「in deep(旧)」というブログでも別のタワー状の構造物を指摘されていました。あれは自然にできたとしては不可解で・・・人工物ならば何者が作ったのか(笑)地球は謎だらけですね。

ヤスーン仮説につきましては、子供の頃に「大陸は北半球に偏ってるのはなぜかな」と思いました。その後プレートテクトニクス論を何の疑問もなく受け入れておりましたが、こちらの記事を少しづつ読ませていただいて「科学的定説」が怪しいものだと思いました。そういうところを巧みに利用しているのがあの動画でなのでしょう。

あの動画に興味を持ったのは「柱状節理」が出てきたからです。
30年前に夫と車で北海道旅行に行きましたが、予定を立てるときに「層雲峡と根室の車石は必ず行く」と決めて実際に見学しました。火山の活動痕跡を見て喜ぶ私に夫は「何が楽しいの」という顔でした(笑)

不躾ということはありません。記事にしたいのはやまやまなのですが、書くのが極度に遅い私の個人的な事情により、お約束出来ないだけです。確かにあの動画の説明では、切り株にあるはずの年輪がない、珪化木にならある倒木状のものがない、なども謎になります。しかしデビルズタワーの上空からの写真、登りかけている人物に比較しての柱状節理の巨大さ、など私には興味深かったです。
層雲峡、車石、どちらも見てみたいのですが、行ったことはありません。お写真やご感想など、私のメール宛にお送り下されば幸いです。
なお、海洋底の縞模様は、地磁気を計測すればの話であり、写真にして見れるようなものではありません。

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