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2017年3月25日 (土)

日本国内旅行 その13

  華厳の滝下に隠れ"ナイアガラ"

 グーグルアースで見ると、華厳の滝の周りの崖は馬蹄形にえぐられている。さらに仔細に見ると、崖の中段には境界の白い層がある。馬蹄形の崖には数多くの滝があり、その殆んどが白い層の辺りから滲み出ている。

 仮に白い層から上の岩石全てを取り去ることが出来たとしたら、平らな台地が現れるはずである。その上を浅く広い川が流れ、丁度ナイアガラのような馬蹄形の滝となって落ちる。つまり華厳の滝の下には、ナイアガラと同様な川が隠されているのだ。

 中禅寺湖の湖尻から流れ出た水は大谷川(だいやがわ)となり、クランクシャフト状に折れ曲がり、華厳の滝の滝口に達する。ところが馬蹄形の北壁から滲み出る殆んどの滝の位置は、湖尻から一直線の関係にある。折れ曲がっている地表の川の流れとは無関係に、地下の川は直線状に、華厳の滝から北壁にかけての広い一帯を流れていると思われる。これは、流れるというより溢れるというに近い。源泉かけ流しの温泉で、浴槽縁のタイル上から溢れる湯のようなものだろう。

 華厳の滝北壁のもう少し下流には、この一帯で一番大きな白雲(しらくも)滝もある。グーグルアースだとかなり高い位置から湧出しているように見えるのだが、この滝も華厳の滝の中段から流れ出る十二滝と同じ高さであり、水もまた中禅寺湖起源であるらしい。

 ネットで見つけた早川裕一氏の論文「日光、華厳滝の後退速度」によれば、華厳の滝の水量は中禅寺湖から流出する量の19%に過ぎない。それに対し十二滝の水量は36%、白雲滝は37%だそうである。とすれば見かけの雄大さとは裏はらに、地上の華厳の滝よりも、地下の川の方がはるかに大きい、と言える。

 華厳の滝周辺の地下において、どのような流路が形成されているのだろうか? それについての研究は既に存在するのだろうか? もしもないようならば、誰かが行って欲しいと切に願う。流路の姿が分かると、透水層及びその直下の不透水層の広がり方が分かり、その下の下部安山岩層の姿も見えてくる。

 十二滝他の滝の下に下部安山岩層があるということは、中禅寺湖生成の歴史をもう一段複雑にしている。中禅寺湖は2度にわたって、溶岩でせき止められたのだ。いやもしかすると、もっと複雑だった可能性もある。下の観瀑台のすぐ近くには涅槃(ねはん)滝があり、その湧出地点をグーグルアースで探すと、十二滝、白雲滝とは別に、もう一層低い層があるみたいである。とすれば、中禅寺湖の成り立ちは一般に言われているほど単純なものではなく、複数回のせき止めによって形成されたのかも知れない。しかも最初のせき止めは、溶岩流によってではなかった可能性もある。

 そう考える私の根拠は、下の観瀑台脇の柱状節理である。今まで見てきた他所の柱状節理に比べると、ひびの隙間がなく、密な印象を持った。何故そういう差が生じたのだろうか?と考えると、地下で圧の加わった状態で出来たからだ、という結論に達する。

 柱状節理とは、玄武岩もしくは安山岩の結晶化である。火口から流れ出た溶岩流と火道の中にある溶岩とは組成的に似たようなものだから、密疎の違いは圧や冷却速度などによって生じるはずである。あの柱状節理による安山岩層を作ったのは、男体山頂上から流れ下った溶岩流ではなく、下の観瀑台近くに地下から直接沸き上がった溶岩であった。富士山の斜面に宝永火口という側火山がある。それに類した噴火が男体山麓の大谷川直下で起こり、川をせき止め、古中禅寺湖とでも呼ぶような規模の小さな湖を作ったことがある、と私は推理する。

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