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2016年11月25日 (金)

日本国内旅行 その9

 「熊本地震は震度7」への疑問 (前編)

 翌朝、鹿児島駅から宮崎、大分経由で別府に向かった。あわよくば、新燃岳の山かげぐらいどこかで見えるかも知れない、と期待して左側の席に座ったのだが、旅行中一番とも言える激しい雨が降り続いた。しかし考えようによっては幸運だった。汽車で移動中に雨、というのは決して悪くはない。越前松島で柱状節理を見ている最中とか、川内原発近くのバス停で待っている間とかの雨でなくて本当によかった。そしてそれは、翌日も続いた。別府から11:44発の九州横断特急に乗ったのだが、昨日ほどひどい降りではないものの、遠景は全く見えなかった。阿蘇駅でかなりの乗客が降りた。リュックを背負った白人女性もいた。小噴火で入山が規制されているというのに、それでも阿蘇は人気のある観光地なのだ、と思った。

 JR 熊本駅に着いた後、市内観光もせず、駅構内でトイレに行ったり、コーヒーを飲んだりしただけである。後に、ブラタモリという番組で、熊本は火の国であるよ りは水の国であると知り、興味を持った。地下水脈が上下2層になっていたりするらしい。しかもその水源は、阿蘇山カルデラの内部にあると言っていた。そうだとすると、汽車では随分離れているようにも感じたが、熊本は広域の阿蘇山域内ということなのかも知れない。

 その旅行から5か月後、熊本に震度7の地震が発生、というニュースを聞いて驚いた。M6.5と言えば、「日本国内旅行 その6その7」で扱った鹿児島県北西部地震のM6.6、M6.4と同じレベルである。それなのに震度7。阪神淡路大震災や東日本大震災並みというのが理 解し難い。益城市だけ地盤が違うのだろうか?

 2008年岩手・宮城内陸地震の時には、震源地に近い栗原市、奥州市だけ震度が突出していた。6強というからほぼ7である。この時にはギネスブックにも載る世界最大の加速度を記録した (原発問題を考える その26)。ところがその揺れの強さは、どうやらその辺り一帯の地盤の特殊性によるらしい、と後になって知った。トランポリン効果と呼ばれるような特異現象が発見されたらしい(地震は水素爆発で起こる その11)。

 その後東北地方太平洋沖地震時にも、栗原市でだけ震度7だった。そのニュースを聞いた時、やっぱりあの辺りは特殊なんだ、と思った。ところが私の調べ方がいけないのか、栗原市だけが最高震度だったことに言及する記事や論文を見たことはない。何故こんなに重要な事実がもっと大きく取り上げられないのだろうか? 栗原市の数値を地域的な例外だとして除外したとすれば、遠い首都圏や大阪までも揺らした戦後日本最大の自然災害の震度が、印象の小さなものになってしまう。それで研究者たちは、栗原市の震度をあえて問題にしようとしないのかも知れない、と思ったりした。

 最近になって、日本地震学会の広報誌「ないふる」89号に興味深い記事を見つけた。

[震度6弱というのは、木造建物の全壊が生じるレベルで、震度6強(計測震度6.0以上6.5未満)では10%以上、震度7(計測震度6.5以上)では30% 以上が全壊するのが目安となっています。ところが、震度6強以上を記録した地震計周辺で調査した約3,000棟のうち、全壊以上の被害を受けた建物は14 棟で、被害率にするとわずかに0.47%でした。10%以上という目安には程遠く、震度7を記録した地震計周辺では、全壊した建物は1棟もありませんでし た。]

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