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2016年10月

2016年10月25日 (火)

日本国内旅行 その8

(再び「日本国内旅行」に戻る。2015年11月、鹿児島中央駅から一駅戻り、川内駅に降り立った後の行動である。) 

  噴火は地中にもあるはず

 川内駅に来てみれば、鹿児島県北西部地震の情報が何か得られるかも知れないという期待はさすがに漠然とし過ぎていた。断層がはっきりしている訳でも、震央の場所が特定されている訳でもない。それでは、と次善のプランに切り替えた。

 川内には再稼働したばかりの原子力発電所がある。あれを見に行こう。駅前のバスターミナルの案内板をあちこち読み比べ、原発行きの路線と時刻表を見つける。うまい具合に、次のバスまで15分もない。バス停に並んだ。

 車内の客は我々以外全てローカルの人たちであった。ストアで買った品物を、運転手さんにおすそ分けするおばあさんもいた。そろそろ黄昏時となり、左手に原発展示場の建物がぼんやりと見える。原発の敷地は右手にあるが、門があり、どうせ立ち入りできたはずもない、と帰りに知った。出来れば終点まで行き、そのまま折り返したかったのだが、終点近くのバス停で降ろされた。小さな村落の入口らしいのだが、人通りはなく、通りの遥か下方に小さく海が見えるだけ。小雨も降りそうで心細い。

 終点の車庫でたっぷり休養を取ったらしい運転手さんは、行きとは打って変ってフレンドリーだった。貸し切り状態だったこともあり、原発再稼働の日のデモの様子など、詳しく話してくれた。

 北西部地震の時はどうだったか?と私は尋ねた。丁度新幹線のトンネル工事をしていたらしい。1997年と言えば、そういう頃だったのだ。土地の人たちは、山の神が怒ったからだ、などと話し合ったらしい。よもや、新幹線のトンネル工事と地震とに因果関係があるとは考えられないが、地震後の人々の、雑談の雰囲気が伝わってくるようで興味深い。

 鹿児島中央駅のデパートで食料品を買い込んで、ホテルの部屋で食事をした。桜島が見える側の部屋を予約してあったが、階も12階で見晴らしが良かった。桜島側の部屋を予約したのは、噴火が見たかったからである。

 噴火自体は、2011年秋に桜島を訪れた際に既に見ている。宿の廊下の窓からもくもくと上がる噴煙を見て、マグマを身近に感じた。宿の好意のマイクロバスで山の中腹まで行き、対岸の鹿児島市内の夜景を見ることもでき、感動した。

 今度は市内側から、桜島噴火の夜景を見たいと思った。運が良ければ火映が見れるかも知れない。火映とは、噴煙が赤く光って見える現象である。黒々として周りの岩石と区別もつかない西之島の溶岩流が、夜間の撮影では真っ赤な溶岩流として流れ下る。火映もまた、周りが暗くなるからこそ見えるようになるのだろう。

 更に運が良ければ、火山雷が見えるかも知れない。「火山雷」で画像検索すると、美しい写真が幾らでも出てくる。桜島でも頻繁に起こるかなり一般的な現象のようである。というわけで期待していたのだが、残念ながらその夜は噴火がなかったばかりか、厚い雲に覆われていて、山影すらよく見えなかった。

 私が火映や火山雷にこだわる訳は、それらが火口部だけの現象とは思えないからである。既に繰り返し書いたように、噴火や雷は地中にもあるはずなのだ。噴火を見て、地中のマグマの動きを感じたかったのである。

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