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2016年8月28日 (日)

選挙制度の根本的改革を その2

 「反票」(マイナス票)の導入を

 選挙における1票は、細胞レベルにおける個々人の意思表示である。ところが現行制度のもとでは、Yesの意思表示しか出来ない。どんなに落としたい候補者がいても、彼が固定票を持っている限り、落とすことは不可能である。小選挙区制や大統領選においては、前回も書いたように、相手候補に投票するという消極的手段がないではない。しかしこれは、心理的には結構難しい。それよりは、多くの有権者は棄権する方が楽だと思うことだろう。

 私が若い頃に思い付いたのは、通常の一票の他に、マイナスの作用をする「反票」を全ての有権者に与える、というアイデアである。つまり、有権者が投票所に出かけると、2種類の投票用紙を渡される。そして個々の候補者の総合得票数は、通常の得票数から「反票」分だけ引かれる、というわけである。この制度が取り入れられると、例えば知名度だけが高いタレント候補者などは、同時に「反票」も多く入り、得票数が相殺されてしまう。したがって、有名人というだけでは当選し難くなる。
 
 私は、アイデアを思い付いてすぐ、朝日新聞の投書欄に投稿したが、掲載されることはなかった。数年後から、タレント候補が数多く当選するという傾向が始まったが、もはや投書し直す気にはなれなかった。

 その後、不祥事を起こした国会議員がマスコミや世論に追求されながらも、次の総選挙で再選され、「みそぎを済ませた」とうそぶく例が多発した。冒頭に述べたように、自分の選挙区で一定の固定票を確保してさえいれば、どんなに反対が多かろうとも落ちることはない。したがって、本当の意味の「みそぎ」になってはいないのに、選挙が口実を与えてしまったようで悔しい。しかしもし「反票」の制度があり、その傲慢な国会議員と同じ選挙区でありさえすれば、一矢報いることも可能になる。

 中でも「反票」の最大の利点は、選びたい候補者がいないからと棄権するつもりでいた有権者を、投票所に行く気にさせる点である。公約は、口当たりの良いことばかりであることも多い。騙されまいと身構える者には、一票を投じるべき相手がなかなか見つけられない。しかしそのような者は逆に、選ぶべきではない相手を見極めるのに優れている。疑い深い分、慎重に調べて排除すべき相手を探すことだろう。そのような者たちも投票所に足に運ぶ結果として、得票率は確実に上がると期待できる。また、「反票」だけのつもりで出かけた投票所で、ついでに、普通の1票をも投じる気になったりしたら、それはそれでまた良いことである。

 とは言え、「反票」のような制度はあくまでもチェック機能の一つであるに過ぎない。悪いことはしない代わりに良いこともしない者(もっとも、そういう者こそが、一般人の代表として議員に選ばれるべきなのかも知れない)よりも、少しぐらいアクは強いが、将来をきちんと見通せる者、あるいは決断の早い者の方が、トップの指導者としては相応しかったりする。そこで将来的には、「反票」は同時に「半票」にすべきだ、と考えたりもした。つまり、「反票」2票で1票分というわけである。

 しかしそれはあくまでも将来的にということで、制度の導入時には、「正票」「反票」1票づつで始めてもらいたい。もしかすると、総投票数0とかマイナス何票なんていう候補者が出て来たりもするだろうが、制度導入時には、それぐらいのインパクトが必要である。

 このような選挙制度のアイデアって、世界の他の国にもあるのだろうか?アイデアが他国の模倣ではなく、他国に先駆けてのものであるとするならば、これ以上に誇らしいことはない。

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