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2016年1月27日 (水)

日本国内旅行 その2

  超オタクへの道

 「えちぜん鉄道」というローカル線に「あわら湯のまち」という駅がある。芦原温泉街のほぼ中心にあり、温泉街が出来上がった後で路線が決められたことを思わせる。それに反してJRの「芦原温泉」駅の方は、路線バスで15分ほど離れている。JR の路線の方が先にあり温泉街が後で出来たために、このような不便が生じたものと私は推察している。

 私たちの目的地である越前松島近くのバス停へは、「あわら湯のまち」駅前から、JR「芦原温泉」駅と反対方向へこれも15分ほど、4時10分頃には着いた。バス停から海岸まで歩いて5分ほど。 その日はどんよりとして風が強かった。打ち付ける波も強く、辿れる小道も限られた。それでも、水平柱状節理が何ヶ所かで見られた。

 東尋坊のような有名な観光地ではないため、そして時間的にも天候的にも観光客が来る所ではないので、私たちだけしかいない。しかも景観はそっちのけ、自分に関心のある岩の並びだけを写真に撮り、早々に引き上げた。帰りのバスの時間が迫っていたからでもある。

 時刻表によれば、帰りのバスは4時49分に来るはずであった。絶対にそのバスを逃したくないという思いから、急ぎ足で10分も前にバス停に着いた。ところが、バス停の時刻表に4時49分発のバスはない。次のは5時37分、まだ1時間も先である。何かの間違いではないだろうか? 時刻表に記されている番号に電話をかけてみる。間違いではないという。タクシー会社の電話番号を訊いたりすることに気を取られ、色々聞き損なったと後になれば思う。何故4時49分のがなくなったのか? 他の時間帯は殆んど全て1時間間隔なのに、この時間帯だけ何故1時間半の間隔になっているのか? おそらく、私が調べた後の9ケ月間にダイヤ改正があったのだろう。直前の確認を怠ったのが失敗の因だった。

 さっそくタクシー会社に電話する。すると意外なことに、車を出せないという。退社時間に近いので、常連客で忙しいとも聞いた。バス停近くに松島水族館があり、既に閉館しているもののまだ灯りは点いていた。窓枠を叩いたら、まだ残っている 従業員が出てきてくれた。事情を説明したところ、ロビーにある無料直通電話を使わせてくれた。ところが受話器を取り上げると、先ほどの女性の声で、如何にもしつこいなという感じで再び断わられた。水族館の従業員は親切にも、更に電話帳で他のタクシー会社を探そうとしてくれたが、私はむしろ海風の吹くバス停で、あと30分ほど待つことの方を選択した。

 社会的に主流でない趣味などに極端にのめり込み者は、オタクと呼ばれるらしい。アニメやコスプレ、フィギャーなどに没頭する人間は、間違いなくオタクに入る。しかし鉄道や無線に凝る者はどうだろう? オタクだろうかマニアだろうか?

 いずれにしても、彼らが如何に社会的な少数者であるにせよ、彼らには仲間がいる。それに反し私に仲間はいない。しかも、進めば進むほど特殊化してくる。誰もいない黄昏の海岸で、非一般的な被写体である岩石の並びにカメラを向ける自分、海風吹きすさぶ暗いバス停で長く待つ自分、を今思い返す時、誰にも理解されないだろう「超オタクへの道」を歩み続けているのだ、と実感する。

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