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2015年3月24日 (火)

御嶽山の噴火は予知できていたはず その4

  噴火の前兆は捉えられるか

 丁度私が御嶽山の噴火予知についてを書き始めていた2月28日、NHKのサイエンスZEROで「噴火の前兆は捉えられるか」という番組が放映された。御嶽山噴火から4ヶ月ということにより作られた番組のようで、日本では1月18日に放映された、とホームページにある。

 2007年の水蒸気噴火の地震発生パターンと比べ、今回のパターンは全く違っていたため、前兆として捉えるのは非常に難しかった。しかし、3年前に設置されたばかりの、山体の一千万分の一の傾斜すら検知できる高精度傾斜計は異常を捉えていた。

 という話を聞いて、録画しておいた画面を戻してみた。矢印の付いている7分前では、まだ異常と認識できない程度でしかない。素人目にも分かるのは2分前からである。担当の技術者は7分前に本当に噴火を予知して、登山客に何とか知らせたいとやきもきしていたのだろうか? そうだとしたら、よほどの熟練者だったのだろう。今後の実用化のためには、技術者が四六時中、計器を注視し続けていなければならないし、ためらいは許されないし、登山客に伝えるための拡声システムを設置しなければならないし、結構大変だと思う。

 次に、ミュオンによる火山透視が話題にされた。宇宙線によって生み出される素粒子ミュオンは、いろいろな物質を透過するが、密度の高い山体を通ると失なわれる量が多い。それに比べ、マグマの中では失なわれ方が少ないので、レントゲンで身体の中を透視するのと同じ効果が得られる。

 九州南端と屋久島との中間にある薩摩硫黄島の透視画像が紹介された。7年前のものだそうだ。富士山のような美しい孤立峰の7〜8合目に、くっきりとした山体内のマグマ溜まりが見える。ただこの画像を得るためには、40日間の蓄積が必要だともある。また、マグマ溜まりが火山深部にある場合には観測できないため、他の技術との併用が必要だとの印象を持った。

 ところがネットを見ると、ミュオンによる火山透視技術はさらなる発展を遂げているようである。2014年3月12日付けのサイエンス・ポータルというサイトによれば次のようにある。

[宇宙線に含まれる素粒子のミューオンを使って、活火山の地下のマグマの動きを動画で初めて透視撮影することに、東京大学地震研究所の田中宏幸教授らが成功した。火山噴火予測の精度を上げる画期的な成果といえる。3月10日の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。
レントゲン撮影のようにミューオンで地球内部を見る手法はミュオグラフィと呼ばれ、1990年代に東京大学理学部のグループによって提案された。田中教授らが2006年に浅間山の透視を実現してから急速に発展して、世界の活火山でも観測が行われた。しかし、動画として撮影するには雑音レベルが高く、困難だった。]

[田中教授は「これまではミューオンでは40日に1枚しか撮影できなかった。今回は3日に1枚の撮影で、何とか動画になった。1日に1枚まで撮影できるようになれば、噴火のリアルタイム予測に近づく。そのための検出精度の向上に努めたい」と話している。]

 サイエンスZEROの番組の方が10ヶ月も遅いので、その後の発展というのは当たらないかも知れない。しかしいづれにしても、今後の展開次第では、火山噴火予知を可能にする技術ではあるようだ。

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