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2014年11月11日 (火)

海洋底の縞模様 その12

  安山岩線の中にあったムー大陸

 大西洋にアトランティス大陸という沈んだ大陸の伝説があり、ムー大陸というその太平洋版もある。竹内均著「ムー大陸から来た日本人」(徳間書店、1980年)によれば、ハワイ諸島を含む太平洋中央部が、沈んだ大陸のあった地域として想定されていたようである。太平洋中央部というその地域に対しては賛成しないものの、伝説のムー大陸の存在そのものには賛成する。

 つい最近になり、「西之島の不思議:大陸の出現か?」(独立行政法人海洋研究開発機構のJAMSTECニュース、2014年6月12日)というサイトを発見した。

[東京の約1000km南方に、南北約650m、幅約200mの小さな無人島があった。西之島である。2013年11月20日、西之島の海岸線から約300m南東沖に海底噴火が確認され、新島を形成した(2013年11月25日のJAMSTECニュース・コラム参照)。新島は爆発的に、かつ着実にマグマを噴出して成長を続けた。2013年12月、西之島は新島と結合し、一体化した。2014年5月、西之島は、面積は以前の4倍、南北、東西ともに幅1,250mの島に成長した。激しい爆発は船舶の接近を拒み、いまも流出している西之島の溶岩は、未だ採取されていない。しかし、旧西之島は1973年から74年に噴火しており、その噴出物およびそれ以前の溶岩は採取され、分析されている。驚くべき事に、これらの岩石はすべてSiO2(シリカ)量が60%前後の非常に均質な「安山岩」である。安山岩は大陸を形成する物質であり、海の真ん中で噴出するとは、誰も考えてはいなかった。安山岩を噴出する海洋島弧の火山、西之島に多くの研究者が注目している。]

 前回見たように東アジアには、ユーラシア大陸からあふれ出したかのような支脈の痕跡がある。それは、溶いた卵かメリケン粉をフライパンの片側に落とし、表面のどろどろがまだあるうちに、フライパンを傾けて、そのどろどろを何もない側に流れさせるようなものである。その比喩のイメージからして、フィリピン海には沈んだ大陸があるはずだ、と私が考えていることは理解していただけるであろう。その沈んだ大陸の輪郭は、フィジー・トンガの辺りで折れ曲がり、ニュージーランドにまで続く海溝、そして南をニューヘブリデスやジャワ海溝によって縁取られた地域である。

 海溝とは大陸性岩石(安山岩や花崗岩など)の収縮に伴う、基盤岩にまで達するほどの深い傷あと、と私は考えている。つまり、弧状列島であるか大陸であるかを問わず、海溝があればその陸側には必ず安山岩や花崗岩などがあるはずなのである。          8図-海8

 このことは、アーサー・ホームズの「一般地質学」中の安山岩線の図(図-海8)を見ると、私の想定域と一致する。安山岩線というものを定めるためには大変な労力が必要だったはずである。昔の地質学者はつくづく偉大だったと思う。海溝のことなど深くは知らぬままだったのに、フィリピン海では遠く離れた2つの海溝線に沿って、安山岩線を二重にしてもいる。

 西之島は小笠原諸島の近くに位置し、この安山岩線の陸側にある。そこの岩石が大陸性のものであることに何の不思議もない。「誰も考えていなかった」というのが正しいとすれば、現在の地球学者たちが、昔の地質学者たちと不連続であるために起こった驚きであろう。

 そして前々回(その10)、及び今回の冒頭で触れたように、その海溝で囲まれた安山岩線の内側こそは、沈んだ大陸、ムー大陸があったかもしれないと私が考える地域である。正確な地域こそ異なれ、安山岩線も知らず海溝も知らぬ先人が、その辺りに沈んだムー大陸を想定していたとは、ロマンである。

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