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2014年10月 7日 (火)

海洋底の縞模様 その7

  サンアンドレアスのダム湖に地震はない

 前々回(その5) に疑問を呈した陸上の破砕帯、サンアンドレアス断層についてもう少し考えてみる。プレート説を信じない目で見ると、そこは疑問いっぱいの場所である。   5_3図-海5

 前述のように、アフリカ大地溝帯は陸上の中央海嶺だと言われているが、そこに破砕帯はない。サンアンドレアス断層は唯一の陸上破砕帯であり、例外である。となれば、本当に海洋底の破砕帯と同じものであるか、のもっと徹底した検証が行なわれなければならない。海洋底の破砕帯のある地帯は例外なく玄武岩質である。それに反し、サンアンドレアス断層一帯全てが玄武岩である、とは考え難い。

 サンアンドレアス断層の西側は、北西方向へと移動し、やがてはロサンゼルスがサンフランシスコの隣に来るとも言われている。しかし、海洋底の大部分の破砕帯と違って、サンアンドレアス断層は直線の破砕帯ではない。断層の北端はほぼ直角に折れ曲がっている。ジグソーパズルならば、折れ曲がっている2片を互いにずれ動かせるとも思えない。2片の間に隙間ができてしまう。

 通常の破砕帯ならば、反対側も反対方向へと移動する。とすれば、サンアンドレアス断層の東側もまた、南東方向へと移動するのでなければならない。それは北米大陸全体の南東への移動を意味するのであろうか? それともカリフォルニア州の内陸部に別の平行な断層がある、ということだろうか? 更に、ヘイワード断層のような支脈もあり、ガーロック断層のように直交している断層もある。                                                6_2図-海6

 このガーロック断層などを探すために手元の本(サイエンティフィック・アメリカンの日本語版、「別冊サイエンス『プレート・テクトニクス』」1975年5月刊)を調べていたら、興味深い図(図-海5、6)を見つけた。カリフォルニアの模式図がこのようなものだとすれば、サンアンドレアス断層の東側が南東方向へ移動出来ないのは当然として、西側の方も北進出来そうにない。

 ついでながら、サンアンドレアス断層の名前の元となったサンアンドレアス湖、それに並んで造られたクリスタル・スプリングス湖という貯水池へは、近いこともありよく行く。その貯水池ダムの完成は1890年、サンフランシスコ大地震の16年前のことであるが、地震によるダムへの被害は全く無かった。

 私は、ヨセミテ渓谷からの澄んだ水をたたえたその人造湖を見ながら思う。この断層は、地震断層説、トランスフォーム断層説、スロー・スリップ現象などの例として地震学者らに様々な形で取り上げられてきた。しかし本当のところは、実体以上に有名にさせられてしまった、ということかもしれない。

 この断層における最大のマグニチュードは7.8、大きいには大きいが、びっくりする程ではない。また、1989年にサンフランシスコやその対岸の町オークランドに大被害をもたらしたロマプリータ地震の時には、断層そのものが全く動かなかった。

 日本の本に、ロマプリータ地震はサンアンドレアス断層を震源とする地震である、と書かれていることがある。それは明らかな間違いである。サンフランシスコの南100キロにおけるこの地震は、サンアンドレアス断層のすぐ隣の断層を震源としたのにもかかわらず、サンアンドレアス断層を動かすことも、誘発することもなかった。

 それだけではない。世界各地には、ダム湖を造ったために誘発地震が発生したという数多くの例がある。それなのにここでは、断層の真上に人造湖を造ったというのに、ここ100年ほどの間、ダム湖起源の地震は皆無である。

 つまりこの断層は、水が地下に染み入らない程にぴったりとしているのだ。その片側が年々移動しているなどとは、とても信じられない。

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