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2014年8月 6日 (水)

金森博雄先生と仙台で議論 その3

  岩石の隙間に入り込む水

 金森博雄先生と議論している時ほどに幸せな時間は、他にそうそうあるものではない。鉄道や城のオタクだったとすれば、会に参加したり、同好の友人を数多く作ったりもできる。しかし、正統的な地球物理学に論理的な反論を加える私に、同好の友人などはいない。

 一般人相手に学者でもない私が地震の話をすれば、煙たがられるだけである。しかし金森先生が相手だと、地震の話を注釈なしに存分に出来る。しかも、以前からの議論のお陰で、以心伝心の部分もある。まるで、碁を打っているかのような楽しさである。

 誘発地震の問題に続いて、地中の水の問題が話し合われた。一般に、地中の断層が水により滑り易くなり、その断層が動いた時に地震が発生すると考えられている。先生も当然その説に賛成なわけで、オイルシェールガス採掘現場における誘発地震は、その地帯の断層を水が滑り易くしているから起こるのだ、と考えているようである。

 それに反して私は、地下のマグマの急激な動きが地震の原因であると考えている。したがって誘発地震には、注入された水であれ気体であれあるいは電気であれ、マグマの動きを刺激するものが必要なのである。この問題は、いつか誘発地震の問題に戻った時に続ける。

 では、水はどのぐらいの深さにまで浸透し得るものだろうか? もしも地中の岩石と岩石との間に隙間があるならば、水はその最深部まで浸透する。しかし地底の岩石は、非常な高圧下にあると考えられる。

 深海がいかに高圧であるか、デモンストレーションなどによって示されることがある。海溝の底10キロと同じ深さの地底の岩石は、その2.5~3.0倍(岩石の平均的な比重)の高圧状態にあるわけである。そのような高圧下において、果たして、水の浸透を可能にする岩石の隙間が存在し得るものであろうか?

 そのような高圧下にあると、岩石は高温になり易いと推定される。高圧高温下にある岩石が流動するかも知れない、というのはプレート・テクトニクス説の基本的な考え方だが、それに対しては私も賛成する。しかし、下降するプレートに海水が取り込まれ、火山の噴火を促す、という同説の別の考え方には賛成出来ない。高圧高温で流動的な岩石に、水の入る隙間が出来るとは考え難い。

 高圧下だと岩石はどのぐらい高温になるか? 周りにマグマがなくても、自重による高圧高温だけでも、岩石は流動し得るものだろうか? 水を水深10キロの高気圧下に置いた場合、その水の体積はどうなるだろうか? 岩石中に含まれる水は、高圧下においてどのようになるであろうか? 体積が小さくなるだけだろうか? それとも、岩石から逃げ出すだろうか?

 地球の規模と時間とを再現することは出来ない、というので、地球物理学ではあまり実験が行なわれていない。しかしそれは、科学として非常に残念なことである。私の上述の疑問に答えられるような高圧実験を、色々に工夫して行なってくれる研究者はいないだろうか、と願う。もしかすると、地震の真の原因も、そのような実験を通して明らかになるかも知れない。

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