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2013年9月16日 (月)

遠隔誘発地震の謎 その1

  3.11地震が米中西部地震を誘発した 

 誘発地震を調べているうちに、インターネット上にタイムリーな記事が出ているのを発見した。米科学専門誌「サイエンス」2013年7月12号ハイライトとある。
http://www.eurekalert.org/pub_releases/translations/sci071213jp.pdf
 この記事を読んだのは8月初旬のことで、発行日から1ヶ月経っていなかった。その記事の中には、「2011年の東北地方太平洋沖地震の後にアメリカ中西部の流体注入現場近くの断層帯では活動が活発化したが、これはおそらく日本での強い揺れへの反応だと推測される」とあった。つまり、シェールガス採掘現場などが、遠い日本での巨大地震に反応し、新たな地震源となったというのである。

 今まで、水やダムによる誘発地震についてはさんざん扱ってもきた(地震は水素爆発で起こる その9)が、その場合ならば、理由はよく分からないなりに、何とかイメージはつかめる。もともと地震の起きそうな所に液体を直接注入するのだから、なんらかの異常があってもおかしくはない。

 ところがこの記事のような現象は、それと同じものとしてはイメージできない。日本とアメリカほども離れた2つの地域が、いったいどのような形で繋がっているのだろう? 人間が水を注入すると、その辺り一帯はぶよぶよになるということだろうか? とはいえ、自然の地質現象に比べたら、人間が注入する水などは小規模なものだろうと思う。言ってみれば蚊が刺した程度のものでしかないはずだ。東北地方太平洋沖の震源から発した地震動は、アメリカ中西部に達する前に、ハワイ島、サンアンドレアス断層、イエローストーンなどという地帯も通ってきたはずである。そうしたいわば大きな傷には影響を及ぼさず、蚊の刺し痕程度のものにだけ誘発地震を発生させた、というのはどういうことなのだろうか? 考えれば考えるほど訳がわからなくなる。こんな不可解な現象もあり得るのだとしたら、HAARPのように、電磁波を使って遠方に地震を起こす、という考え方をもおいそれとは否定できない。

 ところが、これほどに数多くの謎を持つ特異な現象であるのにもかかわらず、ウェブサイトなどで見られる限り、科学者らはそうした謎に着目しているようではない。

 地中には断層があり、注入された液体は潤滑油の働きをして、断層を滑り易くしているのだ、と彼らは考えている。遠くの巨大地震が引き金となり、既にして一触即発の状態にある断層が揺れ動き、その地帯での地震となる、というわけである。正統的な地球物理学の定説に従えば、当然そのように考えることになる。今まで通りの地震断層説の箱の中にぎゅうぎゅうと押し込んでしまおうとしているようにも見える。つまり、地震断層説だのプレートテクトニクス説だのがあまりにも使い勝手が良いために、このように謎の多い新しい現象が発見されても、謎を謎としては認めず、こだわりのない新しい見地からの探究を妨げている。残念なことだ。

 地震断層説への疑問に関しては、今までにも何度となく疑問を投げかけてきたが、この先もこのシリーズの中で、もっと詳しく議論するつもりである。いずれにしても、私自身としては初めての、この遠隔誘発地震という奇妙な現象を知り、すっかり興奮した。その翌日、「サイエンス」誌の原本を探しに、近くの町の図書館に出かけた。

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