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2013年3月 2日 (土)

地震は雷のようなもの その3

  何故キルギスで実験を?

 インターネットを検索している時に、一般教養研修講演会「地震予知への挑戦」(http://www.geocities.jp/semsweb/IPCCnews.html)
というタイトルの講演要旨を見つけた。出だしは理事長の、講演会を催すことになった経緯の説明である。

[私の友人で若くして東大教授からカリフォルニア工科大学教授になった地震学の世界的権威金森博雄先生に、話を聞く機会を持ちました。その際、彼から、予知については一番良く研究されている上田先生の話を聞くよう勧められ、ご紹介頂いて、本日、三先生にご講演頂く事になった次第です。]

 別のサイトを探したりして、この講演会は、「工業所有権協力センター」という一般財団法人が、2010年10月22日に行ったものであり、理事長と金森先生とは、筑波大付属高校の同級生らしい、と知れた。3先生とは、上田誠也、長尾年恭、鴨川仁の3氏であり、VAN 法を中核としての研究グループである、と思われる。東日本大震災の4~5ヶ月前であるにもかかわらず、またこうした地味な団体の主催であるにもかかわらず、受講希望者322名とあるのは注目に値する。地震予知不可能論が大勢を占める日本にあっても、なおかつ多大な関心が、地震予知の分野には寄せられているようだ。

 この講演要旨の中の、長尾年恭氏が語ったと思われる部分により、私の以前からの疑問が解けた。それは、いったい何故そんな辺鄙な土地で、そのような地震学上の最先端の実験が行われているのか?という疑問である。

[中央アジアのキルギスで、非常に大規模な地中への電流注入実験を行っています。これは、ソ連時代に核戦争で電離層が吹き飛んで通信ができなくなるのに備えて、電磁流体発電機MHDという装置を使い、モールス信号をパルス電流にして地下を通じて送ろうとした所、地震が起きだした事に始まります。愛知万博でキルギス館に「地殻変動深層電磁コントロールシステム」が稼動しているという展示パネルがあり、それに気付いて2008年に現地へ行って、研究する価値ありと国際プロジェクトを立ち上げました。]

 これは驚いた。地震制御のために起こそうとした実験ではなく、他の目的で偶然に始めたことだったのだ。デンバーで流体の核廃棄物を地中に埋め込もうとして、人工誘発地震を意図せずに引き起こした事例と似ていなくはない。もともと地震の発生機構がわかっているわけではないから、こういう偶然が重なるのだろう。

 もう一つの偶然は、愛知万博にそれに関した展示パネルがあり、それを見た長尾氏らが、その重要性を悟ったという点である。普段から、VAN 法など地電流の研究を行っていたからこそ、一目見てこれだ、と思ったのだろう。地震予知などできるわけはない、と決めてかかる者が見ても、気づき得ないことであるかもしれない。

 キルギスの電流注入による人工誘発地震実験を、上田氏や長尾氏が着目したことは、この先に述べるいくつかの理由により私は、地震学の新しい扉を開く画期的なことである、と考えている。

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