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2012年4月 2日 (月)

地殻底のマグマ層 その33

  地震、雷、地電流 

 ジョン・ミルンの「地震学」(1898年)を読むと、地震の原因は電流だ、とする説の方が当時は優勢だったようだ。また、地震の前に地電流(earth current)が観測された数多くの例がある、という記述もある。さらに、発光現象や雷光についても触れている。 

 前にも書いた(その28)ように、その後現れた地震断層説により、ミルンの時代の説は傍系に追いやられたのかもしれない。これも前に書いた(その15、16、17)ことだが、地震断層説というのは、未だに証明されたわけではない、と私は考えている。もしも地震と地電流との関係が、その後も継続して研究されていたとしたら、VAN 法のような予知法が、日本で最初に開発された可能性もある。 

 上田誠也氏の「地震予知はできる」には、電磁気現象だの、電波観測だのについての記述もある。さらに、雷との関係も書いてある。 

[雷に関しては興味深い事情がある。京都大学の尾池和夫らがつとにその可能性を指摘しているのだが、地震と雷には関連性があるというのである。地震直前に電離層まで影響する何事かがおこれば、もっと低い大気圏での放電、すなわち雷活動が誘発されることも、あながち否定は出来ないだろう。気象条件はそうでもないのに、青天の霹靂(へきれき)のように雷が地震に先行するという可能性である。また地震前の電離層異常のために遠地の雷電波が受信されやすくなるという考えもある。一方、落雷が地震を誘発するという可能性も指摘されている。一見、関連しそうもない現象が実は相互に結びついているとしたら、その解明は科学研究の醍醐味となるかもしれない。いよいよ、地震・雷なんとやらである。 

 地震と雷、面白そうな分野であることは認めるが、飛躍し過ぎているようにも思える。雷が起きたときに必ず地震が起こるならばいざ知らず、それも宏観現象の一つに過ぎない、と思った。例えば地震の前に動物の異常行動などが観察されたりする。しかし動物は、地震以外のときでも異常行動をするかもしれない。こういう異常行動の時だけ必ず地震が起こる、という決まった形が抽出され、その理由までもがはっきりと特定されない限りは、地震予知としては使えない。 

 雷の場合にも、積乱雲などによる一般的な雷との違いをはっきりと示すのは、至難の業であるに違いない。ところが地震のような重要な災害において、予知の失敗は許されない。下手をすると、予知の成功によって得られる以上の、社会的な損害がもたらされるかもしれないのである。 

 しかし、この地震と雷との関連性は、私の頭の中で、次第に大きなものになっていった。私も上田氏と同様、「地震・雷なんとやら」と、最初は笑って済ませていたのだが、考えているうちに、雷のような現象が、地殻底において実際に起こっているのかもしれない、とイメージするようになっていった。それについては、先にいってから詳しく話す。 

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コメント

今朝の静岡市、雷を大人になってはじめて恐怖に感じました。冬場の凄まじい雷は経験がないので、だから異常だと思うのかもしれませんが、地殻の異常ではないかと思い調べているうちに、こちらへ辿りつきました。

コメントありがとうございます。静岡市でそんなに凄まじい雷、もしかして、富士山の地下のマグマと関係があったりして…。
まだ半信半疑ながら、地震は雷のようなもの、と次第に思い始めています。それについての議論をする予定でいたのですが、島村英紀氏からのメールに応えて、原発の話をしているうちにずいぶんと、その話はご無沙汰になってしまいました。まだ他に書くことがあるために、もうしばらくしてからマグマの話を再開します。多分2ヵ月後ぐらいです。その時にまた、よろしかったらコメント下さい。

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