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2012年4月18日 (水)

地殻底のマグマ層 その35

  地中におけるさまざまな実験 

 「地殻底のマグマ層」というタイトルで書き出して、ずいぶん長くなってしまった。しかしここに来てやっと、この主題も一段落である。今まで30数回にわたって書いてきたことを、ここでまとめ直してみたい。 

 地殻底を今でも動き回るマグマ層があり、それが地震や火山の原因になっているというのが、ヤスーン仮説体系から導き出される重要な仮定である。これは現在の地震観測により否定される。数百キロの深さの、マントルで発生するとされる深発地震を説明することも出来ない。また、もしも地殻底にそのようなマグマ層があるとしたら、精巧になった地震観測技術により、とっくに発見されているはずだ、というのが私への反論である。 

 私の反論は、次のようなものである。コラ半島における掘削(その10)が示すように、地中の姿は、地震学の予測通りではない。深発地震にしても、圧縮されたマグマ層を通る場合は、屈折して深くあるように見えるのかもしれない。したがって、実際に地殻底まで掘り抜いてみるまでは、あるいはさまざまな実験によって反証されるまでは、まだ決着がついたわけではない。ともかくも、反証性があるということが、仮説としては、科学的に健全なのである。 

 とはいえ、私のような者の抱いた仮説を反証しよう、としてくれる科学者がいるとは思えない。私はただ、彼らが彼らの研究のために行う実験の中から、私に有利な証拠がやがて生み出されるに違いない、と確信しているだけである。 

 そうした実験の一つは、人造地震実験である。もっと正確に言うと、「人為的誘発地震」である。本当に、デンバーでのような人造地震を、積極的に作り出すことができるならば、地震がなぜ起こるのか、地震の正体の一端に迫れる。 

 そしてもしも、地震を起こす原因が、水や液体ではなく圧力だ、と確定できたならば、例えば、地下に岩石の圧力を測る機械を設置することによって、地震の予知が可能になるかもしれない。 

 深部探査船「ちきゅう」による掘削も、期待のもてる実験である。その船の重要な目的は、地殻底のモホ面を突き抜き、マントルに達することである。その過程において、私が仮定しているマグマ層の実在が証明される可能性もある。 

 活火山の地下に、マグマ溜まりのあることは確実である。今までは、火山に関する本などに、大まかな絵が添えられているだけだったが、最近になって、人工地震探査などにより、おぼろげながらその姿が明らかになってきた。もしもその解像度が上がり、マグマ溜まりの正確な形が分かるようになるならば、その同じ技術を使って、火山以外のもっと多くの場所に、マグマ溜まりを発見できるようになるかもしれない。 

 現在では、地表で人工地震を起こし、その反射波を調べているようである。やがて、地下で人工地震を起こし、直接にマグマ溜まりを通過する地震波を調べられる日が来るかもしれない。そうなった時、現在の地震学の持っている知識とは、違う結果が出る可能性もある。

 

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