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2012年2月16日 (木)

地殻底のマグマ層 その24

  「人造地震」「地震実験」の提唱

 誘発地震については、「水の注入が引き起こす地震」から「誘発地震と地熱発電」にいたる項目で、既に扱った。しかしここでもう一度扱いたい。地殻底のマグマ層、予測と検証、などを語った後なので適当と考える。また、地球科学者は、検証不能な理論を立てるのではなく、現実から遊離していない実験をもっと工夫して、もっと頻繁に行うべきである、という思いもある。

 ところで、今までは「誘発地震」と書くようにしてきたが、これからは島村英紀氏に倣って、「人造地震」と書くことにする。人間が直接振動を起こして、地下の様子などを探ろうとするのが「人工地震」であり、何か別の手段によって地中に本物の地震を誘発する場合が「人造地震」である。

 しかしネットなどをみると、その言葉はまだ一般的ではない(グーグルで「人造地震」と入れると「人工地震」が出てくる)ようなので、「人為的誘発地震」と書くべきかもしれない。

 デンバーにおけるように、もしも水の注入が地震を誘発し得るとするならば、何故それを、更なる実験の手段として活用しないのだろうか? デンバー以外の場所でも、同じ手段を用いることによって地震を起こせるか否か? 起こせるとすれば、どのような場所でもよいのか? それとも鍼灸におけるつぼのようなものがあるのか? それは圧力が問題なのか、それとも水が問題なのか? 知りたいことは沢山ある。このような実験からは、地震を起こす地底の妖怪の、正体の一端が明らかになるはずである。

 問題は、本当に被害をもたらすほどに大きな地震が起こってしまうかもしれない、という点である。しかし、パークフィールドのように、辺鄙な田舎ならば問題ないだろう。北海道の原野ならば、どこか適当な場所があるかもしれない。本当は、北方四島の近くでやり、地震でいびり出せればいいのだが、下手をすると、外交問題になりかねない。

 島村英紀氏の「日本人が知りたい 地震の疑問66」(サイエンス・アイ新書、2008年)には、次のような記述がある。

[新潟県中越地震(2004年)のときには、震央から約20キロメートル、新潟県中越沖地震(2007年)のときにも反対側にやはり20キロメートルほどしか離れていないところに天然ガス田(南長岡ガス田)があり、地下4,500メートルのところに高圧の水を注入して岩を破砕(はさい)していました。南長岡ガス田は1984年に生産を開始していましたが、21世紀になってから「水圧破砕法」という手法を使い始めていたのでした。

この水圧破砕法坑とはガス田を「刺激」して生産量を上げるために、深い井戸を通じて油ガス層に高圧の水を圧入して、井戸の近くの岩にひびをたくさん入れて生産性を高めるために行われる方法です。これによってガスの生産を8倍にも増やすことに成功したといわれています。

それだけではありません。ここでは、地球温暖化で問題になっている二酸化炭素を液体にして、地下深部に圧入する実験も行われていました。

これは経済産業省の外郭団体である地球環境産業技術研究機構が2003年から2005年まで行っていたもので、地下約1,100メートルに二酸化炭素を圧入しました。120トンから40トン、合計で10,000トン以上という大量の二酸化炭素を地中に圧入する「実験」でした。]

 もしもそれらの液体注入と地震との因果関係が明らかにされたならば、それらの会社や外郭団体は、被災者に補償しなければならなくなる。また、将来知らずに起こしてしまう「人造地震」を作らないためにも、この問題は、もっと周知化されなくてはならない。いずれにしても、「人造地震」あるいは「地震実験」の問題は、今後ますます重要になっていくと思われる。

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