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2011年6月13日 (月)

地殻底のマグマ層 その15

  「地震は断層が起こす」を疑う

 1906年、サンフランシスコに壊滅的な被害を与えた地震の時には、サンアンドレアス断層の北半分が大きくずれた。何と、477キロもの巨大な横ずれ断層だったと言われる。東京―大阪間が約400キロなので、それよりもさらに大きい地割れだったということになる。

 その目覚しさから、地震は断層によってできるのだ、という考え方が認められるようになる。4年後の1910年には、ヘンリー・リードが弾性反発説を提唱する。地殻は、ゴムのような弾性があり、歪みを溜め込むことが出来る。その歪みがある限界を越えた時、断層の片側がずれ、地震が起こるのだ、と説く。

 この説は今でも広く信じられ、「海洋のプレートの沈み込みに伴って、陸のプレートも引きずり込まれ、その接触面に歪みが溜まる。それが限界に達した時に陸側が跳ね返り、地震が発生する」という考え方の基礎にもなっている。さらに、「内陸部の断層も、海洋のプレートによって押し込まれた結果、そこに歪みが溜まり、地震によってそれが解放されるのだ」とも解釈されるようになった。

 「引きずり込まれた陸のプレート」に対しては、大陸地殻の反発は、スカンジナビア半島の隆起に見られる程度(100年間に約1メートル)の緩やかなものであり、地震後の隆起を説明するほど急激なものであるはずはない、と私は考えている。だいたいにおいて、地殻には、活断層やトランスフォーム断層が無数に出来るほどひびが入っている。ひびの入っているクシをはじいて、反発するはずもない。同様に、陸地にもコンニャクのような反発力はない。

 内陸部の断層をも、プレートの動きで説明しようとすると、断層の向きが問題になる。プレートの沈み込みは一方向であるのに、断層はさまざまな方向に向いている。地下のプレートの接触面から、どのような形で断層は地上まで繋がっている、と見るべきであろうか?

 それだけではない。地震学関係の本にならたいていは出ている断層の図、についても疑問がある。2つの羊かんのようなブロックを並べて置いて、それらのどちらかを横にずらし、これが横ずれ断層だ、というのである。ところが、現実の地上において、ブロックになっているところなどどこにもない。断層の末端は、ずーっと切れ目なく繋がっているはずである。Photo_4

 とすれば、右図の赤丸で囲んだブロックの末端部分(点線の部分)は、どのように解釈すべきであろうか? この図の通りのことが現実に起こったとすれば、そこの部分に大きな深い穴ができてしまうことになる。

 図というのは、往々にして現実と遊離してしまう危険性がある。権威ある教科書に掲載されているといっても、そのままに納得してはならない。常に、現実との対照を検討してみるべきであり、それこそが、科学的な姿勢であるはずなのだ。

 逆断層、正断層の場合にも、地下の末端部分が問題である。地震の真の原因であPhoto_5 る地下のマグマが押し上げ、あるいは引き下げるので、断層の片側が上がったり下がったりするのである。しかし断層が地震の原因だとすれば、持ち上がったブロックの地下は、右図の赤丸で囲んだ部分において、真空になってしまう。

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