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2011年5月 6日 (金)

東北地方太平洋沖地震 その10

  マグニチュードと津波の高さ

 このシリーズのその2、「海底でよみがえったゴジラ」を書いたときに、「例えば1896年のときは、マグニチュードはたかだか6.8に過ぎず、」と書いた。ところがその数値に疑問を感じたので、もう一度、参考にした本「地震は必ずくる」(前回の私のブログを参照)を調べ直してみた。

 すると、表には確かに6.8とあるのだが、本文(P170)には以下のように、M7.4と書いてある。ちなみに、引用文中に出てくるMt とは、この本の著者、阿部勝征氏が考案した「津波マグニチュード」と呼ばれるものである。地震と津波の大きさは必ずしも一致しないので、モーメント・マグニチュードと同様の計算式で、津波用のマグニチュードを出す必要性があった。

[津波地震の代表としては、2万人以上の死者を出した明治の三陸津波があります。この場合は、震度が2~3にすぎませんでした。M7.4の地震がMt8.2の大津波を起こしたわけです。]

 金森博雄先生に2回目のメールを出したときに、M6.8 は誤植でしょうか、と尋ねてみた。それに対する返信には、「たぶん誤植ではないでしょう。1896年の地震にはいろいろな記録が残っているし、定義によっても違ってきます」とあった。「津波地震」というのは、高周波帯で弱く、長い周期で強い。短周期でマグニチュードを決めた場合には小さく、M6.8 になり、長周期だとM7.4 になる、ということらしい。

 このあたりの記述は、地震波を扱ったことのない者には理解しにくい。M6.8 で間違いではないと知れたので、また、小さなゆれの地震が大きな津波を引き起こす、という点を強調するために、私はあえて、小さな数値の方を取った。

 もう一つの疑問は、津波の高さである。明治の三陸津波の時には、高さ38.mに達したという。ところが今回は、ビルの3~4階に達したというのに、私がニュースで聞いた限りでは、10mぐらいと言っていた。そこで金森先生に、昔の計測がオーバーだったのか、それとも今回の津波が高くはなかったが、スピードがあり、強烈だったということなのか、と尋ねてみた。

 先生からの答えは次のようなものであった。

[今回の津波の高さがいくらだったか、まだ正確に分かっているわけではない。明治三陸津波のときの38mは綾里白浜で計測されたものだが、今回の津波の同じ白浜地区の計測によれば、23mともいわれている。しかしどちらの高さにも、不確かな点がある。]

 実際その後のニュースなどで、私も大きい数値を聞くようになった。それでもなお、明治三陸津波の高さを越えた、という話は聞いていない。

 こうして見ていくと、地震でも津波でも、分からないことがまだいくらでもある。今回の津波は、人類が目撃した最強最悪な津波であったと私は思う。ところが、揺れはたいしたことないのに、それ以上の高さの津波が日本を襲ったことがあるのだ。いったい海底で、どのような動きがあった場合、そのような津波地震が発生するのであろうか? 

 私の推理からすれば、それは、断層などの地盤の動きによるものではない。海底火山の噴火、もしくはそれに近いものが起こったのだ。海底火山噴火といっても、マグマが実際に流出する必要性はない。火山ガスが大量に噴出した場合、風呂でおならしたときのように、大津波のもととなる水面上昇がもたらされる。

 断層か火山噴火か、それによって、津波にどのような違いが出るか、誰か実験によって調べてもらいたいものである。

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