« 日本で学者たちと議論 その9 | トップページ | 地殻底のマグマ層 その2 »

2011年2月19日 (土)

地殻底のマグマ層 その1

            地殻底のマグマ層 その1

(この後の部分は、島村氏と会う前までに、氏のどのような本を読んでいたかを、さらーっと書くだけのつもりでいた。しかし本を読み直し、調べ直しているうちに、どんどんふくらんでいった。そこでこの部分だけ、別のカテゴリーとしてまとめることにした。)

  島村英紀氏の本はユニーク

 日本で、上田誠也氏以外に会いたい地震学者の筆頭は、島村英紀氏である。

 私が初めて読んだ彼の本は、「教室ではおしえない地球のはなし」(講談社ブルーバックス、1991年11月)である。たぶん1992年か、93年に読んだと思う。

 今まで、地震、地球関係のさまざまな本を読んできたが、この本は、それらどれとも違っていて、軽快で、シャレていた。イラストもまた、小粋である。極度に省略された線で描かれていて、人物などは、アメリカでかって人気のあったキャスパーという子供のお化けのようである。しかしなんとなくユーモラスで良い。今改めて本を手にしてみると、カバーの裏に、「この本では図版も著者の直筆である」とある。この漫画風の絵もちょこちょこっ、と描けてしまうのだろうか。羨ましい。

 その書き出しからしてユニークだ。カバーの、表紙の裏の部分から書き写す。

豆腐の上にパチンコの球を置いたら、どうなるでしょう。

球は、自分の重さで豆腐の中に沈んでいってしまうはずです。

では、どのくらい大きな鉄の球を地球の上に置いたら、地球の中にめり込んでいってしまうのでしょう。

直径20キロメートルもあれば十分。東京でいえば、23区がすっぽり覆われてしまうくらいの巨大な球です。

しかし、地球をタマゴの大きさにたとえたときには、仁丹の大きさどころか、そのわずか10分の1。こんな大きさの鉄の球を支えきれないほど、じつは地球は軟らかいのです。]

 

 このたとえをもう少し拡張してみると、地表に重金属のあることが不思議である。もしもそれら全てがマントル以深の地中から湧き出してきたとすると、マグマ状態であったときに分離されて沈潜し、地表に達することは適わなかったはずである。この面からしても、地表にある物質は、巨大隕石、もしくは天体の残骸(ざんがい)、とみるべきである。

 その後「地震はどこに起こるのか」(講談社ブルーバックス、1993年12月)も読む。重複する内容も多いのだが、海底地震計についてさらに詳しく書いてある。海溝における震源の誤りを正したり、中央海嶺の、地震の起こる場所を特定したり、数多くの業績をあげている。

 しかも、海外の学者からの評判も良く、共同研究を頻繁(ひんぱん)に申し込まれたりもするらしい。世界でも通用する日本人地震学者の一人であるようだ。

« 日本で学者たちと議論 その9 | トップページ | 地殻底のマグマ層 その2 »

マグマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1397932/38933053

この記事へのトラックバック一覧です: 地殻底のマグマ層 その1:

« 日本で学者たちと議論 その9 | トップページ | 地殻底のマグマ層 その2 »