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2011年2月22日 (火)

地殻底のマグマ層 その2

  ゆっくり歩く「地底の妖怪」

 「地震は妖怪 騙された学者たち」(講談社+α新書、2000年8月)を読んだのは、2003年2月のことであった。私は、以下のような読後メモを書くほどに感心したのに、最近になって読み返してみるまで、その内容をすっかり忘れていた。私自身がその時期、地震の問題から離れ、世界地図の新しい図法に夢中になっていたからかもしれない。

[ゆっくり歩く「地底の妖怪」は面白い。文章もうまく、一度は会ってみたい相手ではあるのだが、PT(プレートテクトニクス)説にこり固まっているようでもあり、難しいとも思える。]

 ここにある「地底の妖怪」とは、以下のようなものである。

[さて、こうやって地殻変動を細かく見ると不思議なことが見つかった。

関東地方で、地面のわずかな傾きが変化していた。その変化が、東から西へ、ゆっくりと移動していくのが発見されたのである。地面の傾きが移動するということは、地面の膨らみが、西に動いていったことを意味していた。

その動く速さは、ごく遅く、年に20キロ。時速にすれば2メートルほどになる。つまり、カメよりも遅く、カタツムリなみの速さのものが、地下を動いていったことになる。……

もっと不思議なことがある。

この移動を時間を遡(さかのぼ)ってたどっていくと、陸から海へ出て、さらに太平洋プレートが日本海溝へ沈み込むときに起きる大地震の震源域に至る。

そして、この移動した「なにか」は、大地震が起きたときに、ちょうどその震源に、その時間にいたことが分かったのである。関東地方の例では、1953年11月に起きたマグニチュード7・5の房総沖(ぼうそうおき)地震、東北地方の例では、1968年5月に起きた十勝沖地震(マグニチュード7・9)がその地震である。

つまり地下の妖怪は、大地震の震源の近くで生まれて日本を駆け抜けたように見えるのである。]

 ここにある妖怪の姿こそは、私が常々主張している地下の姿である。地殻底には、圧縮されて地震波に対し固体として写るマグマ層がある。それは、ちょうど2枚のガラス板に挟まれた油の層のように、わずかな圧が加えられただけで、あちこちに移動する。それは、水溜りに浮かぶ油の層のような、勝手気ままな模様を描く。ただし、地殻底の隙間は、2枚のガラス板とは違い、ムラがある。ちょうど葉脈のように、あるいは河口近くの水路のように、入り組んでいる。つまり、マグマの通り道がある。そうした通り道が、崩れてきた岩盤などによってふさがれた時、そこに歪みが溜まり、やがて爆発的な破断が起こり、その時地震が発生するのである。

 このような私のイメージからすると、PT説における不思議は、不思議でも謎でもないのである。

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